dhcoax 20th meeting

みなさま、こんにちは。
大垣市にある歯医者　早野歯科医院の歯科衛生士　田中です。

台風21号、北海道地震、その前にも・・・。
今年の夏は自然の恐ろしさを知る災害が多くありました。
いつ起こるかわからない自然の力に備えることがどんなに大切なことなのか、考えさせられます。
自然の力に備えることの他にもあります、あります。
私達自身の身体です。
少しでも長く健康で生活することです。
お口の健康は健康寿命を延ばすことに大きく関わっています。
以前にもお話した「健口から健康へ」です。（大阪大学大学院歯学研究科予防科学分野教授　天野敦雄先生から）

9月2日（日）にdhcoax 20th meetingに参加してきました。
dhcoaxはフリーランス歯科衛生士　谷垣裕美子先生を中心に広島市柄歯科医院歯科衛生士　足利奈々さんが立ち上げられたスタディグル―プです。
毎年、神戸と広島で開催されます。
今回で20回目を迎えました。
著名な先生の講演、参加歯科衛生士の日頃の活躍を紹介するプレゼンテーション。
多くの知識と自分への課題を見つけることができます。
自分も挑戦してみよう！未来を想像してわくわくしたり・・・と。
感動と元気と勇気をもらい、また明日からがんばろう！！とあっという間の1日を過ごすことができました。

今回の講演は、日本大学歯学部摂食機能療法学講座　植田耕一郎先生が担当され、「かかりつけ歯科衛生士が実践する診療室を核にした高齢者への在宅支援と摂食機能療法」というテーマでした。

いつも病院で勤務をされています。
私達診療所の歯科衛生士に何ができるか、何を望んでおられるかを伝えてくださいました。

病院の入院患者様と診療所に来院される患者様とは対応の仕方は違いますが、何をしなくてはいけないか、何を大切にしなくてはいけないか　は同じだと思います。
患者様のお口の中には歯があり、歯がなくてもそれに代わる義歯があります。
舌があって、頬があって、唇があって、大切な唾液があります。
残念なことにお口から食事ができない方もいらっしゃいます。
でもお口は存在します！！
唾液はあります。
唾液には自浄作用という働きがあります。
その唾液が上手に働いているか。
高齢者になると唾液の分泌が少なくなります。
薬の副作用、放射線治療などの副作用もあります。
唾液の自浄作用が低下します。
そうなると口の中が乾き、ヒリヒリ粘膜が痛むようになってしまいます。
歯磨きをすることができると良いのですが、なかなか難しいこともあります。
寝たきりの人、手が不自由な人、上手にうがいが出来ない人。
介護や必要な人には介助する人の知識や技術、道具が要求されます。
唾液で舌の上をきれいにしますが、その力もなく、舌の上に汚れがつきます。白苔などです。
また、舌が割れたりもします。ヒリヒリ痛むそうです。
味覚障害も起こります。
食欲も減ってしまいます。
口臭や虫歯、歯周病を引き起こします。
唾液は血液と同じくらい大切だと思います。
また、食べかすがお口の中にあればあるほど、細菌は繁殖し続けます。
唾液には殺菌作用という力もありますが、食べたり飲んだりするとき、この細菌が一緒に体内へ移っていきます。
そうなるとどうなるのか・・・
想像できますね。想像するだけで恐ろしいことです。
食べかすを必ず取り除くことの大切さが理解できます。

噛むことでだ液の分泌がよくなります。
噛むことは「ひみこの歯ガいーゼ」

ひ・・・肥満予防
み・・・味覚の発達
こ・・・言葉の発音がはっきり
の・・・脳の発達
歯・・・歯の病気を防ぐ（よく噛むと唾液がたくさん出て、口の中をきれいにします。このだ液の働きがむし歯や歯周病を防ぎます。）
ガ・・・ガンの予防
いー・・・胃腸の働きを促進
ぜ・・・全身の体力向上と全力投球
です。

高齢になるとうまく摂食嚥下できなくなります。
食べたいのだけど、思うように食べられない。
食べることができなければ元気になることも楽しむこともできません。
高齢の人、介助の必要な人たちは、本当に残念なことに摂食嚥下障害が多いです。
どうしてなってしまったのか、それには理由があります。
でもこのままではよくありません。
改善するための支援が必要です。
治らないこともあります。だからこその医療・回復の為の支援。

診療所に働くひとりの歯科衛生士の私。
在宅治療となる前に、唾液の大切さ、摂食嚥下障害について、こうして私達の歯医者へ来院して頂ける体であるために、患者様自身が今から予防できることを伝え、もしも出来なくなってしまった時、私たちが患者様の元へ出向くことができ、口腔ケアをができる安心を伝えいこうと思います。